覆面調査が活用される場面とは?具体的にどんなシーンで有効なのか解説!
覆面調査は、調査員がお客さんとしてお店の商品やサービスを体験して評価を行うことですが、実際にはどのような場面で活用されているのでしょうか。覆面調査はさまざまなケースで利用できる調査方法です。今回は、覆面調査の活用シーンや調査の流れ、また調査に失敗しないために実施前に考えておきたいポイントについて、ご紹介します。
覆面調査の主な手法
よく覆面調査が行われている飲食店を例に、主な調査の流れについて説明します。まず、事前準備としてどのようなことを調べたいのかをもとに、調査項目や内容を決めていきましょう。いつ、誰が、どのような状況で、何を調査するのかを整理し、調査員の選定や調査項目の作成を行います。準備ができたら実際の調査にうつります。
入店前には店先や駐車場の状態を確認しましょう。入店後はスタッフの対応や、店内の状況に問題がないかをチェックします。着席したらそのテーブルの清潔さも見ていきます。メニューや注文に関する説明マニュアルがある場合は、それが徹底されているかも確認ポイントです。料理が運ばれてきたら、見た目や提供までにかかった時間を確認し、味や量が値段と妥当かなどを評価します。
支払い時や退店時の対応がスムーズかもチェック対象です。お店を出たら、再度店先の清掃状況を確認し、全体的に気になる点や問題点がなかったかを評価します。調査が終わったら、その結果をもとにレポートを作成して具体的な問題点や改善点を分析します。
大まかな流れは以上ですが、お店のマニュアルや調査したい内容によって、調査方法は変わります。どのようなことを知りたいかということや、それを調べるためにどのような調査が必要かについては、リサーチ会社と相談しながら決めていってください。
覆面調査が活用される場面
覆面調査は、自社の商品やサービスの品質を上げたい場合に、現状を把握して改善点を洗い出す方法として活用されることが多いです。自社の人間ではない第三者に調査してもらうことで客観的な評価が得られるので、自社の現状を把握するには有効な方法といえます。また、人事評価に利用されるケースもあります。
現場スタッフの普段の接客や仕事のこなし方をチェックし、その結果を昇給や昇進の判断材料として活用しましょう。普段の仕事ぶりを直接評価してもらえるので、うまく活用すれば現場スタッフのモチベーションにもつながりますが、勝手に監視されているといったマイナスのイメージを持たれてしまう場合もあるので、人事評価として活用する場合は誤解が生まれないように注意してください。
さらに、覆面調査は自社だけでなく競合ほか社を調査することもできるので、他社の状況を知りたい場合や自社との比較をしたい場合にも活用できます。他社の強みや工夫を知ることで、自社の課題や改善点を見つけるヒントになります。同じ調査内容を自社と他社の両方で実施すれば、それぞれの強み・弱みや差異を比較やしやすくなるでしょう。
覆面調査を行う前に考えておくべきポイント
覆面調査を有益なものにするためにはどのような調査を行うかが非常に大切です。そこで、知りたい内容を的確に調査するために考えておきたいポイントについてご紹介します。まず、誰が調査するのかが重要です。調査には大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目は、アルバイトなどで募集した一般人が行うモニター型です。調査対象の商品や接客に関する知識はないため、専門的な知識が必要な場合は対応できません。ただし、調査費用を比較的安くできるというメリットもあります。
2つ目は、専門的な知識がある人や調査のプロが行う専門調査員型です。商品やサービスを体験する際に専門的な知識がないと評価ができない場合や、観察力や文章力が高い調査のプロによる評価がほしい場合は、こちらの方法を検討する必要があります。
費用は高くなりますが、その分充実した調査結果が期待できます。自社の社員に調査してもらうケースもあり、すでにマニュアルなどを把握しているのでスムーズに評価ができてコストも抑えられますが、第三者目線での評価が難しくなるでしょう。
次に、どのような評価基準にするかも大切です。調査員の主観的なコメントを集める場合は、具体的な意見が聞けるので改善点が見つかりやすいですが、調査員によって結果がバラついてしまいます。
しかし、客観的な評価基準を設ければ、誰でも同じ評価となり信憑性の高い調査結果を得ることができます。2択で評価する〇×方式であれば、詳細な評価は分かりませんが、分析しやすい結果が得られるでしょう。
5段階評価にすれば分析は複雑になりますが、より詳細な評価が集まります。また、調査項目をどのようなものにするかも重要になります。調査の目的に合った内容になっているかということや、項目数は多すぎたり少なすぎたりしていないかを確認してください。
覆面調査は、店舗の現状を把握するためだけではなく、人事評価に利用されたり他社との比較分析に使われたりと、さまざまな場面で活用できる調査方法です。実施する前に検討すべき点は多く準備が大変に思われるかもしれませんが、今後の経営や人事評価に活かせる有効なデータを得ることができるため、一度自社でも利用できる場面がないか検討してみてください。