売上向上に役立つ?書店が覆面調査を依頼するメリットや注意点とは

公開日:2023/03/15  最終更新日:2023/02/27


覆面調査は、経験豊富な調査員が一般客に紛れて店舗に訪れて調査するものです。店舗運営に悩んでいる経営者に、顧客目線から見た店内の状況、問題点・課題をリアルに報告してくれます。インターネットで苦戦を強いられている経営者でも、店舗のよさを活かした改善案が見つかり、売上向上につながるでしょう。

書店が覆面調査を依頼するメリット

覆面調査では、店内の状況やスタッフの接客態度などが包み隠さず明らかにされます。現状の把握から問題点・課題までわかるので、書店の店舗改善に有益です。

正確な店舗の現状が把握できる

従業員の普段の接客対応や書籍の品揃え、店内の清掃状況など、店舗のリアルな状態が把握できます。接客が丁寧かどうか、書籍の品揃えが客層に合っているか、書籍が分類別に整理されているかなど、さまざまな現状がチェック。

お客さんは手に取った本を適当に戻すことが多いので、定期的に整理しているかもわかるでしょう。また、チェーン店であれば接客ルールや電話対応が統一されているかどうかもわかります。

時間をかけずに問題点・課題に向き合える

調査結果から問題点・課題が浮き彫りになるので、すぐに改善策に取り組めます。経営者は従業員と情報を共有し、一緒に話し合うとよいです。従業員同士の問題意識を高め、いろいろな意見が出し合えます。また、よい評価も活用し、積極的に取り入れることも効果的です。どんな本を求めているのか、どんな並べ方をすれば探しやすいのかなど、お客さん目線に立った取り組みは価値のあるものになるでしょう。

競合店の現状を知り、比較できる

自社の調査だけでなく、競合店の調査も可能です。人気店からは、学ぶところがたくさんあります。自社に活かせることがあれば、アレンジを加えて取り入れてみるのもよいです。ほかの書店にない自社の強みが見つかれば、積極的にアピールしていきましょう。

店舗周辺の環境も大切です。来店客の性別・年齢・客層などから、レイアウト、雰囲気、仕入れる書籍などが変わります。観葉植物や椅子の設置、カフェの併設など、店舗ならではの工夫をしてみるのも素敵です。

書店での覆面調査の大まかな流れ

書店で覆面調査を依頼したときの具体的な流れを解説します。

調査会社との打ち合わせ

覆面調査の目的や店舗状況、気になる課題をヒアリングし、調査内容や設問項目を決めていきます。とくに気になる箇所がある場合は具体的に説明し、重点的に調査してもらうと知りたい結果が得られます。

そのほかにも日程や時間帯、調査する店舗数、調査人数、どんな客層を想定するのかなど、細かく決定。できるだけ調査したい状況に近い設定で実施してもらうことで問題が浮き彫りになります。

調査員の選定

ヒアリング内容をもとに年齢や性別、書店への来店頻度などを検討して調査員を選定します。もちろん調査したい内容に合わせた調査員の選定も可能です。選ばれた調査員は、調査の流れや注意事項などを把握。調査会社によってはマニュアルを読ませ、調査前テストする会社もあります。理解度が低い調査員は外されるので安心です。

訪問による調査実施

調査内容を理解した調査員が、書店に一般客として訪問します。マニュアルに沿って必要項目を調査。調査報告は記憶が鮮明である調査を実施した当日中に作成し、調査会社に提出されます。

調査レポートの提出

調査会社は提出された調査報告を集計して分析します。課題解決に向けた問題点を抽出し、改善策を検討した上で調査報告書が納品されるのです。一般の顧客としての率直な意見がわかるだけでなく、調査に慣れた専門家の意見も聞けるので、書店改善に向けた貴重な報告書といえるでしょう。

書店が覆面調査を実施する際に注意するべきポイント

覆面調査を実施しただけでは書店の改善にはなりません。調査を上手に活用するための注意すべきポイントを解説します。

調査費用の予算を決める

調査には、それなりの費用がかかります。内訳は、調査項目・店舗数・実費・報告書の内容など。無駄な出費にならないためにも、予算と内容に見合った調査会社を選びましょう。

調査結果をもとに改善策を立て、書店のよさを引き出す

調査結果だけで満足してはいけません。肝心なのは調査結果を従業員と共有して、一緒に改善に向けて取り組むことです。店舗をよりよくしたい気持ちを伝え、従業員にも積極的に参加してもらいましょう。改善策ばかりだと従業員のモチベーションが上がらないので、よい評価も取り入れると効果的です。

「分類がわかりやすくて探しやすい」「ポップを見て興味が湧いた」など、普段の行動がよい評価につながることも伝えるとよいでしょう。改善点とよい評価の両面から取り掛かり、「新たな本と出会えるかも」と思わせるような書店を目指すのがポイントです。ほかの書店やインターネットとの違いが出せて、顧客集客や売上向上につながります。

従業員との信頼関係を壊さない

覆面調査は経営者にとって有益な情報で売上向上が見込めますが、従業員からは監視や粗探しととらえられ、経営者との間に反発や溝ができる場合があります。使い方には充分な配慮が必要です。店舗の現状把握やサービス向上など、目的をしっかり説明しましょう。

また、改善策は経営者が一方的に伝えるのではなく、一緒に取り組むことも大切です。経営者は、従業員に過度なストレスをかけないよう心がけ、信頼関係を築きましょう。

まとめ

本記事では、書店が覆面調査するメリットや調査の流れ、注意すべきポイントを解説しました。覆面調査では、普段気づかなかった問題点や課題がわかり、すぐに改善に取りかかれます。書店の魅力は、お客さんが書籍を手にとって自分の意思で本を選べることです。そこには見やすい陳列方法や興味が湧くポップ、居心地のよい空間などの工夫があり、インターネットの購入では味わえないものです。豊富な知識を持つ店員さんに出会えれば、ランキングや口コミでは見つけられない1冊に出会えることも。本記事で覆面調査の内容を知り、よりよい書店づくりに活かして売上向上に役立たせてください。

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