依頼前にチェック!覆面調査の大まかな流れを知っておこう

公開日:2022/05/01  最終更新日:2022/05/27

依頼前にチェック

覆面調査とは、調査員が一般客を装って店舗に行き、接客の様子やサービスの質を調査することです。小売業やサービス業などでよく取り入れられている手法ですが、実際にどのような効果があるかご存じでしょうか。今回は、覆面調査を利用するメリットや注意点、調査の流れについてご紹介します。

そもそも覆面調査は行うべき?

覆面調査を利用することで自社が抱える課題・疑問の解決につながる可能性があるならば、調査の実施を考えてみてもよいかもしれません。たとえば、店舗のリアルな現状を知りたい場合、社内の人間が調査するために店舗へ行っても、現場のスタッフからすればすでに知っている人なので、お客さんへの接客とは違う対応になってしまいます。

調査しに来た人が立場のある人であればなおさらで、よく見せようとして普段と同じ接客にはならないでしょう。そんなとき、覆面調査であれば、現場スタッフも通常どおりの対応になるため、普段どおりのリアルな姿が把握できます。

また、清掃状況や店内状況などに関しても、普段の様子を確認できます。リアルな状態をチェックして接客や店舗状況に改善点がないか、マニュアルがどれほど徹底されているかを確認するには、覆面調査は有効な手段といえるでしょう。

ほかにも、基本的には第三者が調査を行うため、自社のメンバーでは気づかなかった問題点が発覚したり、お客さん目線での意見・評価が聞けたりします。自社の商品やサービスをさらによくしていくために、利害関係のない立場からの評価は非常に貴重です。

また、調査員によってはさまざまな店舗の調査を経験している方もいるので、そのような調査員からの意見が聞けるのもメリットのひとつです。さらに、自社だけでなく競合店舗の調査を依頼することもできるので、他社との比較がしたい、ほか社の様子が知りたいといった場合にも利用できます。

このように、覆面調査でしか得られない情報はたくさんあります。自社の課題解決や商品・サービスレベル向上のための手段として、覆面調査が活用できないか、一度考えてみてください。

覆面調査を実施する際の注意点

調査される側の現場スタッフからすると粗探しをされているような気持ちになり、マイナスのイメージを持たれてしまうことが多いです。よって、調査を行う目的をしっかりと現場にも伝えることが非常に大切です。

本来の目的は、現状を把握したうえで、よりよい接客やサービスをお客さんに提供することなので、覆面調査をきっかけに本部と現場との間に溝が生まれてしまっては意味がありません。

調査で見つかった問題点を現場に報告するときは、調査の背景を伝えたうえで指摘するようにしてください。一方的に報告するのではなく、発覚した問題の改善策を現場スタッフと一緒に考えるのもよいでしょう。

もちろん、よかったポイントについても報告するようにしましょう。スタッフに直接伝えたり表彰したりすることで、現場のモチベーション向上にもつながります。そのほか、調査結果のデータがあると分析するときに役立ちますが、数値やデータを過信しすぎないように注意してください。

調査内容にもよりますが、数値が高くても実際の顧客満足度がそこまでよくないという場合もあります。データの情報と現場の実態の両方を加味して分析を行ってください。また、同じ店舗の調査を定期的に実施する場合は、その店舗の周りの環境に変化がないかも注意して見ておく必要があります。

近くに競合店舗ができると売上などに影響が出ることもありますが、その店舗のみに目を向けているとそれに気付けません。継続的な調査をするときは、近隣の状況も把握したうえで、調査結果を確認してください。

覆面調査の大まかな流れ

まず、どのような調査がしたいかのヒアリングを行います。自社の課題や調査を依頼した目的、調査するエリアや店舗数などを確認し、調査項目を作成します。調査の内容が決まったら、調査を行う人材を選定するのです。調査員は、より有意義な調査となるように、対象の店舗との親和性が高い人を優先的に選びます。

たとえば、飲食店が対象の場合は、今までに飲食店での調査経験が豊富な人、普段から飲食店の利用が多い人から選んでいきます。また、依頼された調査を正確に実施するために、調査員用のマニュアルも作成するのです。さらに、調査結果の報告システムについても依頼ごとに用意します。今後の分析に役立つように、定量的な情報と数値化できない定性情報の両方が得られる報告システムを設計します。

準備が整ったら調査の実施にうつるようです。選ばれた調査員がマニュアルに従った調査を行い、その結果が報告されます。あとは調査結果を集計し、その集計データを依頼主に連携するという流れになります。単にデータを集計するだけでなく、結果を分析して課題に対する改善策や参考事例などを提案してくれることもあるのです。

 

覆面調査によって、店舗の現状をリアルに把握したり、第三者目線からの評価を得たりすることができます。自社の人間だけでは気付かない課題や改善点が見つかるきっかけにもなるので、サービスや店舗状況をよりよいものにするための手段として覆面調査は有効といえるでしょう。今回紹介したようなメリットや注意点を踏まえたうえで、覆面調査の実施を検討してみてはいかがでしょうか。

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