覆面調査にはどのような種類がある?それぞれの方法の特徴を知ろう!
サービス改善のために米国で生まれた覆面調査という仕事をご存知でしょうか。一般客にまぎれて対象店舗に訪問し、商品やサービスを利用しながら、店舗側に気づかれずにサービスの質や接客態度などをチェックする仕事です。ここでは覆面調査の種類や、覆面調査で企業が得られるメリット、実施の際の注意ポイントなどについてご紹介します。
覆面調査にはどのような種類がある?
覆面調査にはさまざまな種類があります。それぞれどのような内容か見ていきましょう。
電話調査
一般の消費者に扮して顧客対応の部門やコールセンターに電話をかけます。オペレーターの対応やマナーに違反していないか、質問に的確に回答できるか、好感の持てる話し方をしているかなどをチェックします。
競合他社のカスタマーセンターや、コールセンターに電話調査を行い、自社との比較を行ったうえで、改善すべき点などを確認して改善につなげましょう。
店頭調査
小売店などを対象にしたもので、調査員が買い物客を装い、商品の陳列状態やポップ見せ方、価格、販促物の設置状況、売り場のレイアウトなどを確認します。その店舗に商品を納入している販売店からの依頼が多く、販売店の意図した売り方ができているかどうかを確認します。
接客調査
一般客に扮した調査員が対象の店舗や施設に訪問し、消費者としてサービスを受ける中で、接客対応や清掃ができているか、商品やサービスの質などを評価しましょう。
たとえば、デパートの化粧品売り場で説明を受けたり、金融機関の窓口で金融商品についての説明を受けたり、飲食店で注文から料理が出てくるまでの接客やタイミングをチェックするなどです。本部で指導しているとおりのオペレーションや、接客が実施できているかを一般客目線でチェックすることで、客観的に実態を把握できます。
また、競合店の調査も行うことで、自店の弱みや強みを発見できるので、結果を顧客満足度向上やオペレーション、接客の改善に役立てることができます。
覆面調査を依頼することで企業側が得られるメリット
企業が覆面調査を導入することで得られるメリットについて見ていきましょう。
商品やサービスを顧客目線で確認
いつも働いている場所なので、自社で調査を行ったとしても新鮮な目で見ることができません。第三者が行う覆面調査では、内部の視点では気づかない現状や、課題の把握ができるだけでなく、率直な意見を聞くことができます。改善点だけでなく自社が選ばれる理由などについても把握できるため、スタッフにフィードバックすることで、スタッフのモチベーションアップにもつながります。
現状の把握
その地域を統括しているマネージャーや社内の人間が調査を実施すると、現場のスタッフはできるだけよいところを見せようと普段とは異なる対応をしていまいがちです。覆面調査を行うことで、普段通りのスタッフの対応が確認できます。
普段の接客対応や清掃状況などの現状をありのまま把握できるため、本部からの指示どおりにオペレーションできているかなどのチェックが可能です。現場の改革を行うことで組織全体の質の向上が期待できます。
競合他社の調査
自社の店舗と同様の調査をほか社に対して行うことで、違う点や同じ点の洗い出しができます。そこから今後改善していくべき部分が明確になるでしょう。調査の内容を分析することで強みや弱みを比較できるため、他店と差別化するために何をすべきか対策を練ることができます。
幅広い地域、規模の調査が可能
たとえば、全国展開している店舗の場合、自社の人員だけでは効率的に調査を行うことはできません。専門の調査会社に外注することで、さまざまな地域に広範囲で調査を行うことが可能です。
覆面調査を実施する際に気を付けるべきポイント
覆面調査を行う際にはどのような点に気をつけるべきでしょうか。
自社の業界に強い調査会社を選ぶ
調査会社にも得意不得意があるため、自社の業界の調査で実績のある調査会社に依頼しましょう。現状の把握と課題の分析に加えて、具体的な改善策を提案してもらうことが可能です。
現場の理解を得る
スタッフによっては、覆面調査による現場の調査を監視やあらさがしととらえてしまう人もいます。それにより、スタッフとマネジメントの間にあつれきが生まれてしまうこともあります。
そのため、覆面調査はあくまでも店舗全体をよりよくしたい、という気持ちから行うということを、現場と共有することが大切です。調査結果を伝える場合も、目的をしっかりと理解してもらったうえで、一緒に改善していく姿勢を見せましょう。
また、よい評価を得たスタッフに対しては表彰を行ったり、人事評価に結果を反映させたりすることでスタッフ全体のモチベーションアップにつながります。
どのような業態であっても消費者目線は大切です。現場のありのままの状況をしっかりと把握することで、課題や改善点を見つけていくのが覆面調査の目的です。現在の業務内容に改善の余地があると感じている場合など、覆面調査を取り入れてみることをおすすめします。