覆面調査を依頼するメリット・デメリットについて解説!
スタッフのサービス提供の現状や自社の商品に対する顧客満足度を、消費者目線で把握する「覆面調査」を利用するメリットやデメリットについて考えたことはありますか?日常業務の中で内部の人間では見つけることのできない改善点などをチェックできる覆面調査を依頼することによるメリットやデメリット、実際の調査の流れについてご紹介します。
覆面調査を依頼するメリット
覆面調査で得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
内部調査では把握できない点の確認
覆面調査は第三者目線で行われるため、業務が日常化している中では気づくことのできない課題を発見し、改善点を見つけることができます。顧客が不便に感じていることや、過剰なサービスだと感じていることなど、企業と顧客との意識のズレが明確になります。調査のプロから率直な意見を聞くこともでき、改善案や課題の立案に役立つでしょう。
現状の把握
内部の人間が調査すると、現場のスタッフは少しでもよい評価を得るためにいつもと違う対応をしてしまいがちです。それでは現状の把握ができないため、覆面調査をとおして、日ごろの接客対応や清掃状況などを確認することが重要です。
自然な状態をチェックすることで、顧客に満足のいくサービスや商品の提供ができているか、本部からの指示を忠実に遂行しているかなどが分かります。
サービスや数値の改善
調査レポートを分析することで、顧客の期待や要望をキャッチでき、具体的な改善策をとりやすくなります。リクエストがあった内容を試験的に試すことで、稼働率や客単価・客数の増加、顧客満足度の向上につながることが期待できるでしょう。
組織力向上
調査結果をスタッフで共有することで、問題意識が高まり、組織全体のモチベーション向上にもつながるでしょう。評価が高かった点だけでなく、厳しい評価もシェアすることで各スタッフの意欲向上が期待できます。
競合店やほかのエリアの調査
自社だけでなく、他社も同様に調査することで、お互いの強みや弱みを把握できるので、他社に比べて劣っている点を改善したり、差別化した策をとったりできます。
また、自店舗がある地域だけでなく、全国的に見てどうなのかを比較したい場合には、専門の調査会社に依頼することで、大規模なエリアでの調査が可能です。
覆面調査を依頼するデメリット
覆面調査を依頼することによるデメリットはどんなものがあげられるでしょうか。
現場からの理解
現場のスタッフが覆面調査について知った際に、監視やアラ探しをされていると感じないようにすることが、もっとも注意すべき点です。経営側と労働者側の間に、余計な溝を作ってしまわないように気をつけましょう。
そのためにも、調査はどのような目的で行うのか、店舗をよりよくするために改善点や課題を洗い出したいという思いを共有しましょう。現状を把握したうえで、商品やサービスの向上を協力しながら実現する姿勢を伝えることが大切です。調査の結果を伝える際にも伝え方に注意し、プレッシャーを必要以上に与えないよう心がけましょう。
データを過信しない
調査結果は数値で現れるため、評価や分析はしやすくなりますが、店舗の周辺環境などの変化も考慮したうえで判断しましょう。データだけですべてを判断してしまうのは危険です。データを念頭に置きつつ、現場の意見もヒアリングしたうえで、課題や改善点に取り組みましょう。
覆面調査の流れ
どのような流れで覆面調査が行われるのか見ていきましょう。
企画・設計
調査において一番重要な準備である企画・設計と仮設の立案には、充分な時間をあてましょう。企画を立てる際にはマーケティングの課題、調査で明確にしたいこと、調査目的について決めておきましょう。
企画を立てた段階で「店舗の立地条件が悪い」「マニュアルどおりの最低限の接客ができていない」「お皿の汚れが目立った」などの仮設を立てます。
調査員研修
企画と仮設が明確に決まったら、調査員の選定と教育に移ります。ターゲットに合った調査員を選定し、調査の前に教育研修を実施しましょう。選定は、商品やサービスのターゲット層に近い人を選び、職業や地域なども加味して行いましょう。
調査実施
調査員がチェック項目を間違えないよう、評価は分かりやすいものにしましょう。評価の方法はいくつかあります。また、実際に体験した人だけに分かる印象や、気持ちが評価に反映される主観的評価と、誰が評価しても同じ結果になる客観的評価に分けることもできるので、この点を意識して項目を決めましょう。
・段階評価:アルファベットや数字による段階評価です。〇×のどちらかに決められないような項目の場合、中間評価が可能です。
・〇×評価:〇か×かはっきりと分かれるため、あいまいな判断が必要な項目に使うのは避けましょう。
自社を調査すると聞くと、あまりよい印象を持たない人もいるかもしれませんが、客観的な視点からよい点・悪い点を把握することで、課題や改善点を洗い出し、それらを改善することで顧客だけでなく組織全体の満足度が上がることにもつながります。