家電量販店が覆面調査を実施する際に注意するべきポイントとは?
家電量販店にはたくさんの電化製品が売られており、大きな店舗ではビル1棟がまるまる家電量販店といったところもあります。飲食店などのサービス業では味や接客などを調査するのに覆面調査を依頼することがあります。では家電量販店で覆面調査を依頼する場合、どんな点を調査してもらえるのでしょうか?
家電量販店が抱える課題
家電量販店が抱えやすい課題、問題はどんなものがあるのでしょうか。詳しく解説します。
売り場ごとの連携がスムーズに取れていない
家電量販店はさまざまな商品が販売されているのが魅力です。買おうと思っていた商品以外のものも、ついつい買ってしまう方もいるのではないでしょうか。家電量販店は広いスペースにパソコン、携帯電話、掃除機、キッチン家電など多種多様なものが販売されています。
売り場には店舗のスタッフがおり、何か分からないことがあれば商品について教えてくれますよね。
そのため利用客は商品売り場の近くにいるスタッフに声をかけますが、売り場ごとに家電の説明をできるスタッフが分かれているため声をかけたスタッフが、その売り場の担当ではない場合があります。
その場合は売り場担当のスタッフを呼ぶことになりますが、ちょうどほかの利用客の対応中や遠くにいてなかなか来られないときも。そんなときは利用者が待っている間に退屈しないよう、上手く声がけするのもスタッフの腕の見せ所です。
担当者が来るのでそこで待っていてください、とほかの売り場に行ってしまうようではあまりよい接客といえないでしょう。覆面調査をすることで、利用者に対してしっかり接客できているか、売り場の連携がスムーズに取れているかといったことを調査できます。
スタッフのスキル不足
家電量販店の営業職は次々と新しく入れ替わる商品の知識を身につけつつ、利用客に商品のよさをアピールしなければなりません。しかしスタッフが知識不足では商品の魅力が利用者に伝わらず売り上げも伸びないでしょう。
スキル不足で売上が伸びず、接客業のストレスがたまる…となってしまうと離職してしまうことも少なくありません。覆面調査ではスタッフの接客やスキルについて、利用者目線で調査してもらうことができます。
分かりやすい話し方をしているか、商品を買いたくなるような話し方をしているか、商品を無理やり買わせようとするような不快な接客ではないかといったことを調査できます。
調査内容によって、スタッフのどの部分が弱いのかが分かるので、今後のスタッフの教育の仕方をどう工夫するかに役立てることができるでしょう。
家電量販店における覆面調査の流れ
・ヒアリング
覆面調査専門業者がどんな目的で調査を依頼するのか、どんな調査員に調査を行ってほしいのか、店舗の詳細など調査するのに必要な情報をヒアリングします。
家電量販店は広いのでどの売り場を調査するのか、どんな点を特に調査してほしいのかなど細かい希望がある場合は指定すると希望通りの調査結果が得られやすくなるでしょう。
・調査員選定
ヒアリングの結果をもとに、調査員を決めます。覆面調査の専門業者スタッフだったり、会員制のサイトから条件に合う調査員を探したりといった方法があるので、どういった調査員の選定をするのか確認しておきましょう。
条件に合った調査員を選定したら、事前にテストなどを行い適切に調査ができるかどうか確認します。
・調査
調査当日は、店舗の利用者をよそおい調査員がスタッフの接客などをチェックします。複数の売り場を調査してもらいたいときは、同時に複数の調査員が調査を行うこともあります。
・レポート提出、納品
調査員は調査終了後、写真や文章などで調査結果をレポートにまとめて提出します。覆面調査専門業者がレポートのチェックを行います。内容がわかりにくければ調査員に再提出を求めたり、内容を確認して業者の方で修正したりしてレポートを完成させ、納品となります。
家電量販店が覆面調査を実施する際に注意するべきポイント
覆面調査をするときに気をつけるべきポイントは何かあるのでしょうか。詳しく解説します。
調査項目を明確にしておく
調査員が調査しやすい項目を作成すると、調査しやすいので細かなところをチェックしやすくなります。売り場がきれいかどうか、ではどこを見てきれいかどうかは判断しにくくなってしまいます。
たとえば商品が大きく通路にはみ出していないか、価格が分かりやすいか、利用者が触った後のディスプレイをもとに戻してあるかなど明確なチェック項目を作っておくとよいでしょう。
スタッフのフォローをしっかりと行う
覆面調査で主に分かるのは接客するフロアスタッフの接客態度やスキルです。
覆面調査の結果をもとにスタッフのフォローを行うことになりますが、フロアスタッフのみや売り場ごとにフォローを行うのではなく、店舗全体で悪いところは改善できるようにスタッフ全体にフォローを行うのがよいでしょう。
ひとりのスタッフや特定の売り場への非難がでないよう、上手く全体に伝えるフォローの仕方が重要になるでしょう。
まとめ
家電量販店は利用客からすると、さまざまな家電を見ることができ、その場にいるスタッフに声をかければ質問が解消すると考えている方が多いです。しかし、店舗側からすると売り場ごとにスタッフのスキルの高さも異なるため、均一的な接客ができないのが現実でしょう。
しかし、売り場のスタッフを呼ぶためのスピードが速い、スタッフが来るまでの接客の感じがよいなどの接客があれば、利用客から見て大きなマイナスにはならないはずです。
覆面調査を行うことで、リアルな利用者とスタッフのやり取りをチェックすることが分かり、スタッフの態度の改善、店舗で改善するべきことの洗い出しなどが可能となるでしょう。