保険会社の覆面調査でチェックできる項目や依頼前の確認点について解説!
企業や店舗などが、サービスの質やスタッフの対応力を顧客視線で把握するために行う調査を覆面調査といいます。覆面調査は調査員が匿名で来店し、普段の顧客と同じように接客を受けて商品購入を行い、依頼企業・店舗の指定したチェックリストや評価基準に従って評価します。今回は保険会社の覆面調査について詳しく解説します。
保険会社の覆面調査でチェックできる項目
覆面調査は職種によって調査の方法が異なります。どの覆面調査サービスに依頼するかで、チェックできる項目は変わりますが、保険会社の調査対象は担当者の実態調査が一般的です。覆面調査は基本的に対面でのやりとりで行われます。調査員は依頼のあった保険会社に、顧客の立場で無料の保険相談や見直し相談を受けるという形でアプローチします。その際に担当者が、保険商品や見直しプランを適切に説明・紹介できるかを調査・評価します。
保険会社の覆面調査でチェックできる項目として、窓口の対面での接客や対応、電話口での対応、家庭に来る担当者の対応が対象となります。説明がわかりやすかったか、強引な勧誘がなかったかなどについて調べられます。保険加入を検討する顧客の意見をしっかりと聞いているか、その上でプランを提案しているかといったことも確認可能です。
また、普段の対応だけでなく、トラブル対応や問い合わせの受け答えもチェックできます。不測の事態に対して臨機応変な対応が可能か、トラブルを適切に解決できるか、誠実な対応をとれているかといったチェックも対象です。依頼する会社によっては、どういった担当者の行動や対応がどれだけ売上や契約に影響が出ているかといった分析サービスを受けられることもあります。保険会社の窓口担当者の担う役割は重要である一方、顧客が生命保険の担当者に不満をもつケースは少なくありません。
一般社団法人生命保険協会の調べによると、新規契約関係における苦情内容として「説明不充分」「不適切な話法」「事務取扱不注意」「契約確認」などが独立して設けられています。とくに「説明不充分」に関する苦情件数は多い傾向にあります。保険会社の窓口担当者は顧客と自社サービスをつなぐパイプのような役割です。顧客視点では「この保険会社は信頼できるだろうか」を判断するための試金石のような立場です。
そのため、充分な商品知識やアドバイス力があるかどうか、コミュニケーション能力や説明力は充分かどうかに加えて、顧客を不快にさせない態度や言葉づかいができているかといった人間的な部分も重要です。覆面調査によって、特定の担当者に対して相性が合わない・不快を覚えるといった意見が多い時は注意が必要です。顧客と担当者の相性が合わないことはさまざまなリスクのもととなります。
信頼関係が構築できなかった場合、担当者が提供するアドバイスや提案を顧客が受けにくくなったり、不満やクレームが増えたり、コミュニケーションが円滑に行えず保険の契約や手続きが遅れるなどの危険性があります。その結果、不備の発生やサービスの質が低下するといった事態になりかねないので、問題点は早期に見つけ出し改善策をとることが重要です。
保険会社の覆面調査の依頼費用相場
保険会社の覆面調査の依頼費用相場は、依頼する会社や調査内容のボリュームによって異なります。目安として、30分から1時間程度の調査で2万~5万円程度を想定しておくとよいでしょう。
調査項目が複数に渡る場合や、難易度の高いチェック項目は、調査方法が複雑になるため費用が高くなります。高度な調査が必要な場合は、依頼費用が数十万に及ぶ場合もあります。また、会社によって初期費用が別途かかることもあります。信頼できる調査会社は料金形態を公式サイトに明記しているので、依頼前にだいたいの費用感をつかめます。
保険会社が覆面調査を依頼する前に確認しておくべき点
覆面調査を依頼する前に確認しておくべき点がいくつかあります。
まずは調査会社が、保険会社の覆面調査を得意としているかの確認です。調査会社ごとに調査対象に得意・不得意をもちます。過去に保険会社の調査をした実績があれば、調査のノウハウも期待できますが、そうでなければ調査の難易度も高くなり、期待した結果が得られない危険性があります。
また、覆面調査は調査員であることを自社社員に知られないことが肝要です。自社社員に調査員であることをばれないよう、調査員のふるまいについて教育を徹底している調査会社を選ぶようにしましょう。同様に依頼する調査項目は適度な量を心掛けることも大切です。項目が多すぎると従業員に調査員ではないかとばれやすくなり、また、調査員の負担や依頼費用も高くなってしまいます。
調査の契約を結ぶ際には、後から追加料金を請求されないよう、事前によく内容を確認しておきましょう。また従業員に対して覆面調査を不定期に行うことを告知しておくことも大切です。調査結果は従業員の改善に用いるため、後になって抜き打ち調査したことが判明すると、従業員のモチベーションを下げてしまいます。
まとめ
保険会社の覆面調査でチェックできる項目や依頼前の確認点を解説しました。覆面調査により自社のサービスの質・従業員の対応力を客観的に把握できます。内部からは見えにくい問題点を、外部からの視点で把握し、サービス向上に反映できることが魅力です。チェックできる項目は窓口担当者の商品説明や、基本的な接客態度やトラブルに対する対応力などです。依頼する前に、対象の調査会社が保険会社の調査実績があるか、契約内容について不明点はないか事前に確認するようにしましょう。また、自社スタッフに覆面調査の実施を事前に告知し理解を求めることも大切です。