CX(顧客体験)とCS(顧客満足度)の違いとは?
商品やサービスを「よりよくしたい!」と考えたときに、重要になってくるのが顧客です。しかし、マーケティングや経営戦略の言葉はややこしく、意味がわからなくなってしまったり何をすべきか見失ってしまったりすることもありますよね。今回はそんな方のためにCX(顧客体験)とCS(顧客満足度)の違いについてお伝えしていくことにします。
CX(顧客体験)とは?
CXとは、顧客体験を意味する言葉です。略さずにCustomerExperience(カスタマーエクスペリエンス)といわれることもあります。CXはマーケティングや経営戦略のコンセプトの1つで、2000年頃から注目されるようになりました。
CXでは商品やサービスにおける機能や性能、値段といった価値だけでなく、購入するまでや購入後の経験といった価値を重視します。具体的には、顧客が商品やサービスを購入する前から購入した後の全期間で、どのような体験をしているかまで含めたすべてにおいて顧客の予想を上回ることを目指します。
顧客と1度触れ合っただけであっても素晴らしい顧客体験を提供することや、熱心なファンになってもらうことを目標としていくのです。
カスタマーがつく言葉はたくさんありますのでややこしさを感じる方もいるでしょうが、商品やサービス利用中に起きたトラブルに対応するカスタマーサポートや、商品やサービスの利用開始から継続中に満足を引き出す手引きをするカスタマーサクセスとは異なっているため気をつけましょう。
CXはCS(顧客満足度)と何が違う?
CXはCSと混同されることもあります。CSとは、顧客満足度を意味する言葉です。略さずにいうとCustomerSatisfactionとなります。CSもマーケティング手法の1つで、1980年代にアメリカで流行しました。
CSでは、顧客が商品やサービスに対しどれだけ満足しているかを数値化します。その数値を顧客との関係の維持や発展に活用していくのです。具体的には、顧客が商品やサービスに触れ、購入した際の不満を解消することを目指します。
CSを元に数値の改善を求めていくことで、リピーターの獲得や売上げの向上、新規顧客の増加をも図ります。
CXとCSは一見同じことのようですが、CXは顧客が商品やサービスを利用することでどのような体験をしているのかを推察したり、その体験が、当初顧客が期待していた状態を上回れるかを検討したりすることを軸としています。そのため、CXの方がより高い満足度を目指しているといえるでしょう。
CX実施によって得られるメリット
CXとCS、2つの言葉の意味がわかったところで、実際にCXを実施して得られるメリットについても確認をしておくことにしましょう。
CXの実施によってまず1つ目に期待できるのが、顧客の継続率の向上です。顧客の継続には期待以上の満足度が必要といわれていますから、目標とも合致していますね。
因みに、期待以上の満足度には心地よいといった安心感も含まれているため、必ずしも劇的な感情が必要というわけではありません。顧客の継続率は直接売り上げの向上や安定にもつながりますので、大変重要です。新規顧客獲得にはリピーター維持の5倍にもなる労力と費用がかかるということですので、見逃せないポイントにもなりますね。
2つ目に期待できることは、競合との差別化です。CXで上手く体験を重視できれば、顧客は商品やサービスのファンになってくれます。そうすると顧客は、同じようなものを取り扱っている競合より、あなたの会社から提供を受けたいと考えてくれるようにもなるでしょう。このファンの数を増やしていくことができれば、売上の向上や安定にも、もちろんつながっていきます。
3つ目に期待できることは、口コミによる波及効果です。これについては、日々実感しているという方も多いのではないでしょうか。SNSなどが発達した現在、情報は大変重要なものになっています。それは、顧客の体験に関しても例外ではありません。インフルエンサーなどが情報を拡散した場合、その波及効果は凄まじいものになります。
商品やサービスそのものの評価はもちろんのこと、スタッフの印象や問い合わせへの対応、提案などのよい評判が広まれば、会社自体への信頼感も高めることができるでしょう。一気に知名度を高めることにも期待ができるかもしれませんね。当然ではありますが、その分悪い評価なども広まりやすいことは意識しておくべきでしょう。
このように、CXの実施にはさまざまなメリットがあります。どれも会社の発展に重要なものですので、意識して取り組むことがおすすめといえるでしょう。
商品やサービスにおいて、CXの実施が効果的であることはおわかりいただけたでしょうか。みなさんもぜひメリットを理解して、CX実施に取り組んでみてください。顧客にとっていいものが提供できているのか知りたいときには、覆面調査会社を利用するのも有効です。さらによい商品の開発や、サービスの向上にも役立てることができます。現在ではさまざまな覆面調査会社がありますので、そちらの利用も考えてみてはいかがでしょうか。